第1話『立場も世代も超えて!みんなでCIM(シム)れば怖くない!?の巻』

更新日:9月4日

【要約】
2D設計の限界: 修正の手間や熟練者依存から脱却し、生存戦略としてのCIMへシフト
CIMの本質: 単なる綺麗なCGではなく、属性情報を持たせて後工程へ「データをつなぐ」こと
操作の易しさ: 複雑な3D技術は不要。国産ソフトの標準モデルと専用ボタンでポチポチ入力
最大のメリット: 「フロントローディング」で事前に干渉を検知し、現場の手戻りを防止
【目次】
(1) 単なる「美しいCG」とBIM/CIMの決定的な違い
(2) 3Dスキルは不要?「ソフトの設定にしたがって入力」でOKです!
(3) 日本の実務環境に特化したCADソフトの強み:専用ボタンと標準モデルによるハードルの低さ
(4) 労働人口減少と生産性向上の国策的背景
(5) 「フロントローディング」による劇的なミス防止と手戻り削減
~なぜ今、日本の建設業にCIMが必要なのか?~
1.【現状の課題】なぜ今、モヤっとするのか?
日本のインフラを支えてきた2次元図面は、図面ごとにデータが独立して管理されてきました。修正のたびに全図面を整合させる必要があり、これまでは熟練技術者の「職人技」でなんとか実務を回してきたのです。
そこにやってきたのが、BIM/CIMの本格導入です。これは業界再編の大きな変化点であることにお気づきでしょうか。
先行する建築分野(BIM)に追いつこうと業界全体が焦りを募らせた結果、実務の最前線では大きなゆがみが生まれてしまいました。
4コマ漫画でシムるくんやニジ課長が激白しているように、「2D設計の方が慣れていて早い!」「3D化の二重作業は負担が増えるだけ!」という強い心理的抵抗感が目立つ事態になってしまったのです。
形だけの「後追い3D作成」では、業務もコストも増えて技術者が疲弊するだけ。果たしてそこに、明るい未来はあるのでしょうか?
2.【公的データからひも解く解決手順】なぜ今、私たちは『CIM(シム)る』のか
国土交通省が推進するBIM/CIMの原則適用。
その裏にある本質は、義務だからこなす先には見えてこないのかもしれません。
避けては通れない業界再編が進むなかで、私たちが自らの意志でデータを動かしていくこと、「CIM(シム)る」(CIMを動詞化)ことで、『真の生存戦略』が見えてくるのではないでしょうか。
__あなたは今、『こなす人』ですか?
それとも、『CIM(シム)る人』ですか?
では、どうしたら『CIM(シム)る人』になれるのか?ここでは、まさにそのことをお伝えしたいのです。シムるくん達と一緒に考えていきましょう!
(1) 単なる「美しいCG」とBIM/CIMの決定的な違い
BIM/CIMの目的はモデリング技術を競い合って「美しいCG」を作ることではありません。
見た目がリアルなだけのCGは、後の工程にて再利用できない「単なるグラフィック」にすぎません。
CIMの本質は、3D形状に「属性情報(規格、設計、数量など、対象物の特性を表す情報)」を持たせ、設計から施工・積算、維持管理にいたるまで、情報としてスムーズに『つなぐ』ことにあります。情報を正しくつなぎ、全体の生産性向上に『つなぐ』のです。
(2) 3Dスキルは不要?「ソフトの設定にしたがって入力」でOKです!
「3Dは苦手」「センスがない」などと身構える必要は一切ありません。BIM/CIMの実務で求められるのは、ゲームクリエイターのような高い3Dモデリングスキルではなく、情報が次の工程へ正しくつながるように、『基準に沿ってソフトへ入力していくこと』です。
どの情報をどこに持たせるべきかは、現在の基準である「BIM/CIM取扱要領」に考え方が示されており、3Dソフト側にも入力欄があらかじめ用意されています。
(3) 日本の実務環境に特化したCADソフトの強み:専用ボタンと標準モデルによるハードルの低さ
日本の土木実務に特化して開発された3D CADソフト(国内向けアドオン環境を含む)では、国土交通省の要領・基準に準拠した専用のボタンが画面上に配置されています。さらに、日本の公共工事で頻出する構造物やパーツの「国内用標準3Dモデル」がライブラリとして豊富に用意されています。
技術者はゼロから複雑な形をモデリングする必要はなく、標準モデルを選んで線形に沿って画面上でポチポチと配置し、案内される設定に従って情報を入力すれば、基準を満たしたCIMモデルが完成します。この優れた操作性のおかげで、2次元図面に慣れたベテラン技術者はもちろん、不慣れな人にも順応しやすくなっています。

(4) 労働人口減少と生産性向上の国策的背景
国土交通省など公的機関の資料が示す通り、今後の日本は担い手の減少に直面します。限られた人員でこれまでと同等以上のインフラ品質を維持するためには、労働集約型のプロセスから脱却し、デジタル技術を活用した圧倒的な「生産性向上」が生存戦略には不可欠となっていきます。
(5) 「フロントローディング」によるミス防止と手戻り削減
BIM/CIM 導入の実務上の大きなメリットは、設計の初期段階で3次元的に可視化・照査を行う「フロントローディング」によるミス防止です。
事前検知による手戻り防止
2次元では見落としがちだった「地下埋設物との干渉」や「道路と橋梁の高さの不整合」をデジタル空間上で事前に検知し、着工前にPC画面上で問題を解決することで、現場での工事中断や手戻りを減らすことが可能です。
連動修正によるケアレスミス軽減
最初から3次元を中心に組み立てる「3Dベースの設計」へ切り替えることで、モデルの変更が各図面へ連動し、手作業による二重修正や修正漏れから起きるケアレスミスを軽減できます。
この手戻りを減らすワークフローの確立として、『CIM(シム)る』こと、立場も世代も超え、みんなで一歩を踏み出すこと、それが豊かな未来につながっていくのではないでしょうか。
【参考・引用元公的資料】
国土交通省:『BIM/CIM取扱要領』
国土交通省:『直轄土木業務・工事におけるBIM/CIM適用に関する実施方針』
国土交通省:『i-Construction 2.0』
3.シムるくんからの一言アドバイス

「立場も世代も超えて!みんなでCIM(シム)る第一歩。になったら嬉しいです!
✨みなさんの職場の『CIMる一歩』やリアルなあるある体験談をぜひ僕にも教えてください!!✨」




