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第8話『奇々怪々!?IFCデータ変換の謎の巻』

執筆者の写真: インフラCIMラボ
インフラCIMラボ
7月23日
読了時間: 6分

更新日:8月24日



11話『欲張りすぎた詳細度!PC激重フリーズの巻』
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【要約】

  • 変換エラーの現実: IFC変換時の「属性欠落」や「形状消失」は内部仕様の違いが原因。

  • 解決の3ステップ: マッピング確認、MVD設定、無料ビューアでの事前照査で手戻りを防ぐ。

  • 役割別の意識: 「作る人」「納品する人」「納品される人」が各自のフェーズでチェックする。

  • 最新の動向: bSJ(IFC4.3)やONESTRUCTION社(IDS)がエラーゼロの仕組みを推進中。

【目次】

ステップ1: 出力時のプロパティマッピングの確認

ステップ2:相手方のソフトに合わせたMVD設定

ステップ3:異なるソフトウェア間でのテスト書き出し・相互照査


~【BIM/CIM実務の核心】異なるソフトウェア間でのIFCデータ交換時における属性情報欠落と形状の一部消失への回避対策~



1.【現状の課題】

3Dデータのエクスポート時に、設計者が直面しやすいトラブルが「属性情報(プロパティ)の欠落」および「形状の一部消失」です。


💡 CGとBIM/CIMの決定的な違い

見た目だけを整える「単なるCG」であれば3D形状が映るだけで十分ですが、情報の連携・活用を前提とする「BIM/CIM」では、IFCデータが正しく構造化されていないと、数量算出や積算などの後工程で情報を再入力したり、手動で補正したりする必要が生じ、データ連携の効果が大きく損なわれます。


せっかく作り込んだモデルの魂(属性)が抜け殻になり、体の一部(部材)が画面から消え去るその様子は、まさに「怪奇現象」とも言える恐ろしいトラブルです。


この怪奇現象は、各ソフトがIFCのどの階層やプロパティセットに文字情報を書き出すのか、内部の定義(マッピング仕様)が完全に統一されていないことが原因です。変換時の仕様の差によって、受け手側のソフトが情報を認識できず見失ってしまうために発生します。


また、ソリッドモデルや境界表現など、3D形状を定義する計算式の仕様がソフトウェアごとに異なるため、変換を挟むことにより特定の複雑な曲線や開口部などの形状が一部消失してしまう現象も発生してしまいます。



2.【公的データからひも解く解決手順】

4コマ漫画でミリタンさんが披露した魔法のような「秒で解決!」は完全にフィクションです(期待させてしまってすみません!そんな魔法があれば、今すぐ使って全技術者の負担を一瞬で消し去りたいところです)。


手戻りのジレンマで泣かないために、この「秒で解決」マジックのタネ明かしとなる、公的データの仕様を踏まえた「正しい解決手順」は以下の3ステップです。


  • ステップ1: 出力時のプロパティマッピングの確認

エクスポートを行う前に、自社ソフト側のIFC出力設定を確認し、国交省の要領等で求められる「プロパティセット」が正しい階層に紐づいて書き出される設定になっているか確認します。


  • ステップ2: 相手方のソフトに合わせたMVD(モデルビュー定義)設定

「共通形式だから安心」と思い込まず、発注者や協力会社などの受け手側が使用するターゲットソフト(またはビューワー)を事前に確認し、推奨されるエクスポート設定(用途に応じたMVDの設定など)を双方で事前に合わせて出力します。


  • ステップ3: 異なるソフトウェア間でのテスト書き出し・相互照査

本納品やデータ送信を行う前に、異なるソフト環境や一般的な無料IFCビューワー等で成果品データを一度開き直してみます。相手方の環境を擬似的に再現し、原寸で正しく描画されているか、属性情報の剥がれや形状の一部消失がないかを事前にセルフチェックします。


3.【実務へのステップ】各フェーズごとの役割と立場に応じた意識ポイント

実務においては、CIMに取り組む全員が全てを覚えるということではありません。第5話、第7話と同様に、ご自身の役割や立場に応じたポイントを抑えることが大切です。


  • モデリング実行フェーズ(モデルを作る人、入力する人)

    CAD固有の属性入力支援ツールなどを活用し、作図と同時に正しくIFC属性が付与されているかをチェックしながら作業を進めます。作成段階で入力漏れや設定ミスを防ぐことが、後工程でのデータ崩れを回避する第一歩となります。


  • データ授受・納品フェーズ(納品する人)

    エクスポート前にプロパティマッピングやMVD(モデルビュー定義)の設定を確認し、送信前には必ず外部ビューア等で属性や形状に問題がないか相互照査を行います。


  • 活用・運用フェーズ(納品される人)

    受け取り側のソフトウェア環境をあらかじめ指定・共有し、事前にサンプルデータを用いたテスト書き出しと表示確認に協力することで、納品直前のトラブルを防止します。


4.【怪奇現象を根本から無くす国際標準化と国内テックの最前線】

こうした「ソフトウェア間の翻訳エラー(怪奇現象)」を個人単位でのチェック頼みにせず、業界全体のシステムとして根本から根絶しようとするグローバルな動きが進んでいます。

  • buildingSMART Japan(bSJ)による国際標準化

2026年10月に東京サミット(buildingSMART International Summit – Tokyo 2026)の開催を控え、国内のopenBIMを牽引するbSJは、道路や橋梁などをエラーなく繋ぐ土木インフラ拡張版『IFC4.3』の実装検証や、データ欠落を防ぐ新ルールの策定を最前線で進めています。

  • ONESTRUCTION株式会社による技術実装

このbSJの国際的な枠組みの中で、日本のスタートアップ企業であるONESTRUCTION株式会社が世界をリードするテックソリューションを展開しています。同社は、データ要件を自動判定して属性の剥がれを防ぐ新規格『IDS(Information Delivery Specification)』の生成基盤モデル(Ishigaki-IDSなど)を自社開発・公開。さらに、同社が提供するOpenAECシリーズは、国内のデータ連携精度を証明する「IFC検定」にも合格しており、データ交換のエラーを実務レベルで無くすためのアプローチを続けています。


ソフトの違いを意識することなく「ボタン一つで完璧なデータ交換ができる」怪奇現象ゼロの世界が、こうした国際標準化の枠組みと国内テック企業の技術融合によって、すぐそこまで来ているのかもしれません。


【参考 引用元公的資料・関連リンク】

国土交通省 国土技術政策総合研究所:『3次元設計データ交換標準 情報提供サイト』

一般社団法人 OCF:『LandXML1.2に準じた3次元設計データ交換標準(案)』

一般社団法人 buildingSMART Japan(bSJ) 公式サイト

ONESTRUCTION株式会社 公式サイト


5.ミリタンさんからの一言アドバイス

「モデル消失してなくて安心しました。秒で解決マジックのかわりに、3ステップの手順を試してくださいね!

✨みなさんもヒヤッとした経験ありますよね。ぜひ共有してくださいね!✨」



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