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第7話『CIMってホントに効果ある?怪しみ全開シムるくんの巻』

執筆者の写真: インフラCIMラボ
インフラCIMラボ
7月21日
読了時間: 6分

更新日:8月24日



11話『欲張りすぎた詳細度!PC激重フリーズの巻』
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【要約】

  • 二大障壁の現実: CIM導入の壁は「高額なツール費用」と「3D作成・修正の手間」。人材不足で高額ツールが「宝の持ち腐れ」になる問題もある。


  • 数字が示す効果: 協議時間は半減(50%削減)、現場作業時間も約3割縮減のケースあり!


  • 初期コストの平準化: IT導入補助金等を活用しつつ、サブスクのランニングコストを見据えて最小限のライセンスで運用する


  • ツールの適材適所: 元請け(統合ソフト)、測量(点群ソフト)、協力会社(データ出力CAD)など、自社の「立場」に合うツールだけを揃えて無駄なコストを削ぎ落とす


【目次】


~【BIM/CIM実務の核心】 「本当に楽になる?」数字で見るBIM/CIMの効果~



1.【現状の課題】

国土交通省が実施したアンケート調査(発注者・受注者・自治体対象)において、CIM導入における二大障壁として「ソフトや高スペックPC等の導入・維持費用(金額のハードル)」と「3Dモデルの作成・修正にかかる作業量の増加(工数・手間の増加)」が圧倒的トップとして挙げられています。さらに、これらに並んで「操作できる人材の不足やツールの難易度の高さ」も大きな課題となっています。

 

「数百万円する高額なソフトやハイスペックPCの費用に見合う効果があるのか?」「2D図面に加えて3Dの修正まで増え、コストも手間もダブルでかかってヘトヘトになるのでは?」という不安は、現場で忙殺される技術者や経営者にとってごく自然な感情です。

自社の実務範囲を超えたハイスペックなソフトを無理に全社展開した結果、社内で使いこなせず宝の持ち腐れになり、2Dと3Dの二重作業で現場が疲弊してしまう——。国の推進方針や業界の熱量に押され、高額な導入リスクと過剰作業に押し潰されそうになってしまってはいませんか。


2.【公的データからひも解く解決手順】「賢い戦略」とは?

現場からはそんな悲鳴が上がる一方で、国土交通省の直轄工事におけるアンケートや取り組み事例集を見ると、これらの課題に反して、圧倒的な効果が数値として叩き出されています。

 

  • 協議時間の50%削減(半減): 国交省の事例集等において、関係者協議や地元説明に3D(CIM)モデルを活用した現場では、説明・手戻りの協議時間が従来の4日から2日へと半減した実績が報告されています


  • 現場作業時間の約3割縮減:i-Construction(ICT施工等)の取り組みにおいて作業時間の約3割縮減が確認されており、国交省の推進委員会アンケートでも「3Dモデル活用で効果(手戻り防止等)を実感した」と答えた工事が全体の9割以上にのぼります。

 

「高額・手間増」という課題と「作業縮減・時間半減」という効果、一見すると相反している状況が両立しているのはなぜでしょうか?

 

3. 【相反する課題を解決】するための「2つの逆転アプローチ」

この「高額・手間増」という重い課題を抱えたまま、「時間短縮・効率化」のメリット最大化を実現するためには、単に「現場の気合や残業でカバーする」以外の賢い攻略アプローチが必要です。不満を口にするだけでもなく、かといって言われるがまま疲弊するのでもない、「制度(予算)」と「立場(ツール)」の仕組みを賢く使い分ける2つのアプローチが存在します。

 

アプローチ①:【初期コストの平準化】補助制度の活用と「サブスク構造」の割り切り

高額なソフトやハイスペックPCをすべて自己資金(自腹)で調達しようとすると、投資の回収に時間がかかり、経営上の大きなリスクになりかねません。そこで活用したいのがIT導入補助金や中小企業経営強化税制などの税制優遇・公的支援制度です。

 

ただし、ここで一つ冷静に見極めていただきたい現実があります。「現在の3DCADは毎年費用が発生するサブスクリプション方式が主流であるのに対し、補助金でカバーできるのは初期費用や指定期間の利用料に限られる」という点です。翌年以降も発生し続ける年額ライセンス料(ランニングコスト)のすべてを、毎年補助金だけで賄い続けることはできません。

 

補助金があるからと安易に全社分のライセンスを大量購入するのではなく、「補助金で初年度の初期負担を抑えつつ、契約数は管理・納品に必要な最小限にとどめる」といった、将来の固定費まで見据えた堅実な投資設計をご検討ください。

 

アプローチ②:【ツールの適材適所】「自身の立場・役割」に合わせた割り切り

「BIM/CIMをやるなら、業界標準の高価なフルスペック3DCADや統合ソフトを全員がバリバリ使いこなせなければいけない」と思い込んではいませんか?

これこそがコスト増大と現場のストレスの最大の元凶です。

第5話でも触れましたが、BIM/CIM実務において重要なのは「自身の立場に応じたツールの使い分け」です。

 

  • 全体を取りまとめる立場(元請けや事業監理等):3Dモデル作成に加え、統合モデルの構築・検証に必要なソフトや環境を整え、協議や全体最適に活かす

  • 測量や現況データの取得・処理を担う立場(測量会社・計測業者等):レーザースキャナーやドローン等の計測データから、後工程で扱いやすい点群データや現況地形モデル(J-LandXML等)を作成・処理できる専用ソフト(点群処理ソフト)を重点的に活用する

  • 単体の構造物モデル作成や設計実務を担う立場(協力会社や専門職等):後工程へ正しく引き継げるデータ(J-LandXMLやIFC等)を出力できれば十分であり、無理に高額な点群ソフトや統合ソフトまで揃える必要はない


すべての会社・すべての技術者が同じ高額ツールを抱え込む必要は一切ありません。各々の「役割」に必要なツールを適材適所で選定し、無駄なソフト購入費やオーバースペックな学習コストを削ぎ落とすこと。 この賢い割り切りこそが、コストと作業ストレスを最小化し、投資効果を最大化する一番の近道です。

 

国の推進方針や業界の熱量に押されて全方位で抱え込むのではなく、制度と各々の立場を見極めて、賢くCIM(シム)ること。これが「資金」と「時間」を守ることにつながります。これこそが、数字に裏打ちされた生産性向上の本質ではないでしょうか。


【参考 引用元公的資料・関連リンク】

国土交通省:『BIM/CIM取扱要領』

国土交通省 BIM/CIMポータルサイト:『BIM/CIM 事例集』

国土交通省:『第15回 BIM/CIM推進委員会 資料1(BIM/CIMの進め方について)』

国土交通省:『i-Construction 2.0』


4.ニジ課長からの一言アドバイス

「賢くCIM(シム)ること!必要なことの見極めが大切ですよ、あなたのところはどうですか?」

✨あなたの職場のニジ課長、リアルなあるある体験談をぜひニジ課長に教えてあげてくださいね!✨


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